先日、沖縄出張の際、首里城の付近を通りました。沖縄の人々の心の支えが無惨な姿になり心が痛みました。

10月31日午前2時40分ごろに首里城正殿から出火した火災は周辺建物に次々と延焼し、約4200㎡を焼いて約11時間にわたり炎上しました。

首里城は約30年にわたった復元工事を今年2019年1月に完了したばかりなので防災設備についても整備されていたのではと思われた方も多いのではないでしょうか。しかし、首里城の場合は戦前に国宝に指定されていたことから、復元工事の際にも建築基準法の適用を除外されていました。

また正殿には、消火器、屋内消火栓、放水銃、屋内消火栓ポンプユニット、ドレンチャーなどの設備はあったものの、スプリンクラーなどの消火設備は設置されていませんでした。首里城は消防法上、スプリンクラーの設置を義務付けられておらず、防火対策の対象外とされていたことも今回の火災の被害が甚大なものになった要因であると考えらます。

この度の首里城の火災を受け、文化庁は10月31日に都道府県などに宛て、指定文化財だけでなく、史跡などに設置されている復元建物についても防火管理の点検や確認を求めました。

首里城は沖縄の歴史・文化を象徴する城であり、首里城の歴史は琉球王国の歴史そのものであります。

一刻も早く城復旧が成されることを心より願っております。